sparklersの日記

自己顕示欲と羞耻心と。私に都合のいい私の話。

田中慎弥 共喰い

 言わずと知れた芥川賞受賞作を遅ればせながら。

 全編を貫く水、水、水。その汚水の臭いまで漂ってくるような描写。体温と汗の臭いまで感じられるかのような性と暴力の生々しさ。下関の方言表現が効いていて、その土地の体臭がむせ返るように迫ってくる。久々に快や不快を越えた素晴らしい読書体験ができた。好き嫌いの問題を越えて、よい小説であることは間違いないと思う。

 青山真治監督で映画化、2013年9月公開とのこと。

 http://eiga.com/news/20130426/13/


映画『共喰い』 特報 - YouTube