sparklersの日記

自己顕示欲と羞耻心と。私に都合のいい私の話。

ヤマシタトモコ ひばりの朝 1

 『HER』に続きまたヤマシタトモコにしてやられた感。悪い意味で。以下ネタバレのない感想。

 ものすごく乱暴なくくり方をすると、『HER』と同じく女性の自意識もの。掲載誌もフィールヤングなんだけど、もうこういうの飽きたよ……描き尽くされてるよ……という感が否めない。人生はボオドレエルの一行にも若かない、という芥川龍之介の言葉を借りれば、ヤマシタトモコの一冊はよしながふみ(ここに入るべき作家はたくさんいる)の一篇にも若かない……と言いたくなるくらい既視感やマンネリ感に溢れていた。

 パクリとかいう意味ではなく、似たようなことを先人たちがとうに何度も試行錯誤していたのに、特に目を引く新しさがないことを今更やってるとこが、うーん。

 これから話が進むにつれ、「目を引く新しさ」がでてくるのかもしれないけれど、一巻でそれが見えなければ二巻を続けて購入する気にはなれず。

 漫画の場合、私はできるだけ買って読むようにしてるので、自分にとってお金を出すに値するか否かはかなりシビアに見てしまう。漫画喫茶ユーザーならまた評価が変わったかもしれないけど、自腹切ってる立場としては、うーん。となってしまう。

 『HER』を読むならよしながふみの『愛すべき娘たち』を、更に言うならば山岸凉子あたりを読むともっと凄みやら面白みを感じられると思ってしまう……。

[asin:4592132955:detail]