sparklersの日記

自己顕示欲と羞耻心と。私に都合のいい私の話。

佐野菜見 坂本ですが?1

 書店でもかなりプッシュされてた本作。読んでみると確かにそれなりに面白いのだけど、独り善がりな感じがした。

 この作品は、端正な絵柄で描かれた端正な主人公がバカバカしいことを大真面目にやるのが面白い、ということなんだと思う。が、一見して上手く見えるような気がする端正な絵柄も、読み進めると粗ばかり目についてしまうのである。絵の心得がないんで具体的にうまく言語化できないんだけど、体とか手のデッサンあれれ??とか、表情がなんかツメが甘いとか、素人目にもなんか惜しい感じを受けてしまった。

 で、ふと思い出したのが古屋兎丸。たぶん、古屋兎丸のきっちりした絵柄(学ランってとこでいくと『ライチ☆光クラブ』とか)で描かれていたならもっと面白かったんだろうなと。別に古屋兎丸じゃなくてもいいんだけど。

 ストーリーが相当な画力を要求するものであるにもかかわらず、肝心の画力が追いついてないと思った。読んでてとてもむず痒い気分になりました。